水槽撮影講座を開講いたします。ご質問や苦情などありましたら、ヨロシク!
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これから一眼レフカメラでの撮影を前提に話を進めます。 一眼レフは、交換レンズが豊富で撮影目的に応じて対処できるので最適です。 コンパクトカメラや使い捨てカメラでは満足した仕上がりが得られません。 ここでは「最高を目標に」がテーマですので無い方は購入して下さい。いやだと言う方はガマンして下さい。 左がAL誌上で取材に使用しているカメラです。 35mm判カメラ(ライカ判、普通のフィルム)はニコンですが、キャノンでもミノルタでも差し支えありません。お好みでどうぞ!各メーカーより様々な機種が出回っています。購入ポイントはシンクロターミナルか外部ストロボとの接点を持つ機種にして下さい。これはストロボ光による撮影が主になるため外部ストロボを使用するのに欠かせないからです。 中判カメラはブローニフィルムを使用し、6x7、6x6、6x9など35mm判よりやや大きなフィルムです。色再現や大伸ばしに向いています。他にも4x5や8x10 などもあります。 |
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交換レンズは接写(被写体に近づくクローズアップ)の出来るマクロレンズを用意します。私は60mmと105mmのマクロレンズを使用していますがメーカーにより焦点距離に多少の違いがあります。 大型の魚(アロワナやガーなど)は標準マクロレンズでカバーできますがテトラやアピストなど小型の魚は100mm位のマクロレンズが最適でしょう。それでも小さいとお嘆きの方は中間リングやベローズを使用します。 AF(オートフォーカス)でもMF(マニュアルフォーカス)でも構いません。カメラの機種選定を間違えますと余分な出費にもなりますので慎重に! ここまでの質問は掲示板へ! |
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ストロボは閃光時間が短く精度が高いので水槽撮影に最適です。ストロボ光は太陽光(昼間)に近く熱帯魚や水草の色を忠実に再現しますので使用して下さい。メタハラや蛍光灯の場合は色温度が太陽光と違いリバーサルフィルムでの撮影は補正しないと色が変換してしまいます。また光量が小さいのでシャッタースピードが遅くなりブレてしまいます。 ストロボにはGN(ガイドナンバー)があり、大きくなるほど光量ががあります。目安は16以上(iso100)が欲しいところです。小さいストロボでも5、6個つなげれば60cm水槽を隅々に照らせます。GN40以上のストロボを所有していれば1個でも可能ですが、2個以上の複数使用がよりベターです。 |
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一般にストロボはカメラ上部のホットシューに取り付けますが水槽撮影では水槽の上に置いて撮影するためカメラから離して使用します。この場合のカメラとストロボをつなぐのが左の器具です。複数のストロボからのシンクロコードを一つにするターミナルやメイン光源からの光を受けて発光させるスレーブユニットなどです。ヨドバシカメラなどの量販店で購入できます。 |
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ストロボ光は直進性があり撮影するとコントラストが強く出ます。海外ではこのタイプの写真が多いですが、今回はストロボ発光部にトレぺ(トレーシングペーパー)を貼って光を拡散します。蛍光灯などで見ている水槽は蛍光管から蛍光灯の反射板に反射して拡散した光で目に入っています。照射角も問題になりますので、参考にして下さい。 トレペの使用は透過光になり色温度が下がりますので極端に厚くしたりすると黄色味がかかりますので注意が必要です。ここまでで、わけ解んない方はガンバッテ! 寝たい方はお休みなさい! 掲示板をクリック!! |
今回は45cm水槽です。 2段水槽の下段のため撮影には苦労する(体が柔軟ならノー問題)ので撮影水槽は1番撮影し易い場所に置くのを忘れずに! ヨコのフィルターは上の75cm用ですので気にしないで。 寝ていた方は起きて下さい! 始まりますよー。 |
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まず蛍光灯を外しストロボをガラス蓋に乗せます。この時にガラス蓋が汚れていると光が届きませんのできれいにします。
GN16の小型ストロボ6個を使用。 45cm水槽では最低3個は必要か?魚単体の場合は十分ですが、撮影目的でストロボの数は変わります。ご自分所有のストロボのGNは取説を参照。 |
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ストロボの置き方ですが適当ではダメダメ! まず水槽水面まで達している水草がある場合はその上に置くと光が強く白く飛んでしまいます。透明なアクリル板で底あげしましょう。 水面に泳ぐ魚がある場合も同様です。各個人の水槽の状況で臨機応変にかえて頂戴です。 |
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ストロボをセッティングしたら蛍光灯を戻します。魚の単体撮影などで明かりが必要になるからです。水草に光合成させるには光量が足りなくなりますので長時間の撮影では草が寝る場合があります。 私の場合、両端に積み木を置き、その上に蛍光灯を乗せています。メタハラを使用している場合はガラス蓋を付けてから同様にします。水草水槽愛好家の多くが蓋をしませんので用意しましょう。 複数ストロボ使用時シンクロターミナルにスレーブユニットで同調する場合スレーブをメインのストロボから光が当たるようにします。今回は上部6灯のサイド1灯です。 |
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発光の瞬間です。6灯使用したのは水槽全体に光を行き渡らせるため(光を回す)です。手前にしかこない魚などの個体撮影では手前3灯で足りますケースバイケースで対応しましょう。 また自分のストロボの照射角を知り、水槽全体でどの位のストロボが必要か、判ってきます。 水槽の上部に空間がある場合(メタハラ灯なども同じ)1灯でも撮影が可能なのです。メタハラを水面ギリギリで使用しないのは照射角からくるデッドゾーンをなくすからです。 ここまでで気分が悪くなった方は退場して下さい。またのご来場をお待ち致します。 |
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水槽上部だけのストロボでのライティング(トップ1灯)でも撮影が可能ですが、流木の陰や大きな葉の下は暗く(アンダー)なります。 そのためサイドから光を当てます。エンゼルやディスカスのような扁平の魚の場合トップのみでは体色が暗く写ります。 今回はサイドのストロボにカメラからのシンクロコードを接続し発光させ、水槽上部のストロボにスレーブユニットで同調させています。 質問や感想はまとめてお願いします。カメラはどこが安いのか?などの質問は止めましょう。 |
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いよいよ撮影ですが、水槽全体撮影のポイントは「水槽正面から撮る」です。結構出来上がりを見ると左右や上下に歪んでいたりしますのでご注意あれ。
個体撮影では最初は大きめの魚から挑戦しましょう。いきなりボララス類からですとフィルム代が心配です。(お金持ちの方は気にしないかも)段々動きがあるものへ移行しましょう。こちらのポイントは「最高の瞬間を待つ」です。魚を追いかけると、逃げたり隠れたりしますので最高の撮影ポイントにくるまでひたすら待ちましょう。それが上達の近道かも?ここぞでシャッターを閃光と共に彼方の愛魚が写真に残された瞬間です。 |
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1灯しかどうしても用意できない方のライティングの1例です。(左写真) 水槽上方45度にストロボを置きますと写り込みもなく無難な撮影になります。気をつけなければいけないのが、水槽枠がプラスチックや色のついたアクリル枠の場合に影ができてしまいますので注意してね! 写り込みを防止するには、逆転の発想です。光が当たると水槽ガラス面に写り込みます。ですから写ってもいいものを写り込ませるのです。つまり黒を写り込ませるのです(右写真) 黒を貼ったパネルにレンズ用の穴を開けたものです。 これで皆さんガンバッテ撮影しましょう! |
基礎用語編
露出 | フィルム面に露光する際のシャッタースピードと絞りの数値。 |
被写界深度 | 焦点距離と撮影距離を同じ条件にした時、絞り込むほどピントの範囲が広く(深く)なります。 また、絞りを開放にするほどピントの範囲が狭く(浅く)なります。絞りが一定の場合ピントを 遠くのものに合わせるほど深度が深く、近くのものに合わせるほど浅くなる特性があります。 焦点距離の短いレンズは深度が深く、長いレンズは浅くなるのを憶えましょう。 |
画角 | 被写体の写る範囲を角度で表したものが画角です。 |
フィルム | ネガとポジに区別します。ネガはプリント用にモノクロとカラーに細分し、ポジは印刷原稿や スライド用にプロから一般にも使用されています。水槽撮影には発色と粒状性に優れたポジ を使用しましょう。感度(ISO)は大きくなるほど暗い場所でも光を感光できます。暗い舞台撮 影やシャッタースピードを速くしたい時、絞りこみたい時も便利です。 400、800、1600など市 販されています。但し、粒子が粗く色再現も劣ります。感度の低いフィルムはこの逆になりま す。50、100などの感度がそれです。また、同感度でもプロ用と一般用で粒状性が違います。 私個人的にはフジフィルムのRVPベルビアを推奨いたします。 |
段階露光 | 適正露出をえるために適正近辺を1/3刻みか1/2刻みで絞りを変えて撮影すること。 |
撮影の手順を簡単に説明しました。
今回は45cm水槽でしたが、90cmも120cmもストロボの数が変わるだけ(本当はチョット大変)です。
カメラを購入してレンズにストロボと多少金額が張りますが趣味の延長でガンバッテください。
そんな金無い方は私が出張で撮影に参りますので、インフォメーションを参照してください!
メールか掲示板で質問にお応えしますのでよろしくお願いします。