2013・11・28/29 南房総 館山

「星空を撮ろう!」




星空は無限に拡がる大宇宙を観ることが出来る。 なんて、ロマンチックなんでしょう、私って。(大汗)

星空を撮るには、星座が分かるように星を点として写す方法もあります。しかし、地球の自転の影響で1日に360度1回転する「日周運動」をします。つまり、星はじっとしていません。1時間で天頂では15度移動します。したがって暗い空を撮るから三脚を使用して5分ほどの長時間露光をしますと星が流れてしまいます。

それを無くすためには赤道義(自転と同じ回転速度でカメラを動かす装置)で撮影するのが天体写真になります。でも、結構いいお値段しますので、天体を本格的にやるまでは簡易的な星空写真を楽しみましょう。

そして、今回の「星空を撮ろう!」撮影講座は、長時間露光をインターバル撮影で自動に撮影した画像を合成して上記のような星の軌跡を作ることにしました。 星空だけではなく温室で花の撮影もしてきましたよ。

*上記写真は、参加された生徒さんの作品です。 シャッターは、私が押しました(大笑)




東京を出発して、海ほたるSAを経由して一路房総半島最南端を目指します。出発時は曇りでしたが、午後からは晴れる予報になっていました。ただ予想外だったのが風の強さでした。もう少しでアクアラインも通行止めではと思うほどの強風がやや心配です。

館山市南端に位置する平砂浦海岸は道路100選にも選ばれた「房総フラワーライン」が沿岸を走っています。到着すると、天気はどんどん回復して星空を観望するには良いことです。ただし、風が無ければです。時間経過するほど風は強風に変わり、海は大波小波でもう大変な状況です。天気判断は良かったのですが、風の判断をしませんでした。ああ、これでは三脚も立てられません。

気を取り直して、平砂浦にあります「南房パラダイス」で撮影開始します。

10数棟の温室が連なり、寒風荒ぶ外より暖かく快適な撮影が出来ます。ばら、蘭など撮影します。花は風景に並ぶ人気の被写体です。思う存分撮ります。撮影のポイントは、標準ズームでもマクロレンズでも花に近づいて撮り、背景をぼかして花を浮きたてましょう。そのためには絞りはF4〜5.6位で良いでしょう。もちろん、ブレないようにシャッタースピードも気を使います。




園内には、観葉植物でも人気のモンステラ(左)が特大サイズで繁茂していました。こんなところをジャングルにいるように撮影するのも良いでしょう!ブログなどに掲載するのであれば人間を入れてその大きさを表現することも忘れずに!

さらに進むと、高さ2mほどの滝(右)がありましたので、低速シャッターで流水を表現します。今回のシャッタースピードは、1/8秒です。これは水量などで変わりますので、段階露光を撮影してどれが1番気に入るかで決めます。ただし、三脚を使用しないのでこの位が限界です。




シダ類は裏から撮ると日頃と違った表情を見せてくれますよ!






蝶館も併設していますので、冬でも蝶が撮れます。これって凄い事ですね。

蝶は、翅を開いている時に!




そして、本題の星空です。当初の撮影場所はホテルの光が見えない海岸で真っ暗な空を撮る予定でしたが、何しろ凄い風で安全第一の写真教室ですから場所をホテルのテニス場から観望しました。

そのためにホテル棟からの照明がかなり影響してしまう結果になりました。これは残念です。いつかリベンジしたいものです。これだけでも星座に詳しい方なら十分な星の数になります。言い訳ですが、海岸から撮れたらこの数倍の星が期待できたので・・・(涙)

撮影データ ISO感度 3200  F4  15秒

このデータを撮影間隔20秒でインターバル撮影(間隔)します。つまり、15秒撮影して、5秒待機、そして15秒撮影を繰り返します。これをカメラ側に設定してしまえば勝手にカメラが撮り続けます。しっかりした三脚で撮りませんと全部ぶれてしまいますよ!

さらに、ピントはマニュアル設定で「無限遠」にセットします。テープをフォーカス環に貼り、ピントの固定をします。インターバル撮影が搭載されていない機種には各メーカーからインターバル撮影が設定できるレリーズ(名称は各社で異なります)が市販されています。

ここで注意! レリーズやリモートコントローラーには電池が必要な機種がありますので、電池をお忘れなく!




インターバル撮影を1時間30分続けると、180枚ほどになりますので、それを合成専用ソフトなどで比較明合成します。そうすると星の日周運動を見ることができます。今回は、北を向けて撮影しましたので、中心が北極星になり、その周りを星が回転している様が表現できます。

今回はできませんでしたが、南の空を撮るとどうなるか、ご想像して下さい!  まだまだ、天体写真は奥が深いのです。